【特集】現役三重大生に就活の本音をインタビューした話 #001
わくわくスイッチスタッフが、現役大学生に就活やキャリアについての本音をインタビューするコーナー。
#001は、これから就職活動を控えた三重大学3年生の“はらぺこあおむしさん(以下 はらぺこ)”に、お話を伺いました。
WAKUWAKU Interview #001
Profile:はらぺこあおむし
・三重大学人文学部人文学科 3年(女性)
・三重県出身
・県内企業に就職を希望
・長期&短期インターンシップを経験。
・わくわくスイッチが運営する1Dayインターンシップ”シゴトラベル”や企業への取材活動を含めると、過去に15社以上の三重県内企業を訪問している。
今日は来てくれてありがとう!どうぞよろしくお願いします。
はらぺこ:こちらこそお願いします!
大学3年生の秋になると友達と就活について話すの?
はらぺこ:はい。実はいま、周りで就活について話題になっている事があって…
なになに??(重要な話が聞けそう!)
はらぺこ:彼氏が東京の会社に就職が決まったときに、彼女はついていくか、っていう。その話題をするとめちゃくちゃ盛り上がるんです!
(…予想と違う話や)で、どんな話になるの?
はらぺこ:彼氏の方が、東京に就職が決まって、彼女は「私はどうすればいいの…?」って彼氏に聞くんです。でも彼氏は「そんなん知らんし」って…。それで別れるみたいな。
大学生らしい会話だね。
はらぺこ:それで思ったんですけど、三重の大学生が県外に就職が決まって、彼女が彼氏についていくと、人材が二人も県外に流出しちゃいますよね。なので、カップル単位で三重で職を探すみたいな。地元定着のためにカップル就活を推進するのはどうかなと。
急に話の方向性が変わったな(笑)確かに、好きな人が三重県にいたら、自分も三重に残るってことだよね。例えば、大学生が三重県の社会人と付き合っていたら、県外には出ていかないかもしれない。でも、大学生が社会人と出会うのは難しくない?
はらぺこ:近所に相席居酒屋ができるんですけど、そこなら出会えそうじゃないですか?女性はタダで飲み食いできるんですよ~。
(相席居酒屋??)そこってどんな人と相席するかわからないんでしょ?
はらぺこ:そうです。なので、どんな人が来るのか見てみたいと思って、行くことにしました。
へぇ~すごいね!(今何の話しとんのやろ???)
三重県出身者の地元就職について
では、気を取り直しまして、、はらぺこあおむしさんは地元の三重県で就職を考えていますよね。ここで、マイナビが発表したデータについて、ご覧ください。
20年卒マイナビ大学生Uターン地元就職に関する調査
・地元就職の希望者の全国平均 49.8%
・三重県へ地元就職の希望者平均 21.1%(※1)
三重県の高校を卒業した子たちのなかで、大学卒業後に一番就職したい都道府県として三重県を選んだ子がたった2割。はらぺこあおむしさんは、この数字についてどう思う?
はらぺこ:う~ん。…思ったより低いですね。でも、よく考えると納得です。
たとえば、四日市より北に住んでいる三重大生は、愛知県の学生と通学時間が重なり仲良くなるので「名古屋で一緒に就活しようか」となりますし、伊賀・上野・名張の子たちは、同様に大阪が就活圏内に入ってきます。
実家から三重大学に通っている場合、卒業したら一人暮らししたいと思う子もいるので、就職を機に県外に出るかもしれませんね。
そうなんですね。ちなみに、はらぺこあおむしさんの周りに三重県出身の三重大学生はどの位いますか
はらぺこ:だいたい、私の周りは三重県出身者、愛知県出身者、三重・愛知以外の都道府県が1/3ずついます。
三重大学 都道府県別 入学状況(令和元年度)
入学者数1,353名に対する出身県・三重:41.5% 愛知県32.7% 三重・愛知以外:25.8%(※2)三重大学公式サイトより
三重県出身者の中には、医学部や教育学部生も含まれます。一般的な就職活動の対象となるのは工学部、生物資源学部、人文学部の学生さんということになりますね。はらぺこあおむしさんの周りに、三重県で就職したいという学生はいる?
はらぺこ:私の周りにも三重で働きたいという三重大生はいます。
ただ、地元志向の三重大生には公務員や銀行員を希望する学生もかなりいるので、はたして地域企業に就職したいかどうかはわかりません。
大学生は大手志向?
つづいて、2019年卒マイナビ大学生就職意識調査によると、いわゆる「大手企業志向」の大学生の割合は55%とのこと(※3)。はらぺこあおむしさんはどう思いますか。
はらぺこ:わたしは、働きやすさや会社の雰囲気、ビジョンなどを見たいので、企業規模はあまり気にしません。ただ、周りの大学生は「中小企業」のことを知らず接点も少ないです。
大手企業志向でなくても、知っている企業名のなかで就活するため、結果的に大手企業ばかりエントリーしている可能性はありますね。
なかには、中小企業に対して良いイメージを持つ人もいます。ただ、「中小企業=即戦力が求められる=自分にはできない」と思って尻込みするかもしれません。
もし、自分のやりたいことが明確であれば、大手企業より中小企業の方がチャンスが多くて魅力的に見えるんじゃない?
はらぺこ:そうですね。私の先輩は、アパレル業界に関心があって、デザインや販促方法について自分で企画・実行できる企業を探していました。大手企業からも内定を得ましたが、大手企業では新卒から任せてもらえる裁量が少ないと感じて、最終的に自分のやりたい仕事を任せてもらえる中小企業に就職を決めました。
それは採用した企業さんも嬉しいだろうね。新しいことを企画したくても、なかなか時間が割けないという中小企業は多いかもしれません。一方で、企画に興味がある若者は多いですよね。
はらぺこ:たとえば、出版業界や食品業界など「この分野で活躍したい」というこだわりがある学生は、どんな仕事ができるかを重視するため、大手・中小の規模はあまり気にしないかと。
食品業界で新商品の企画をしたい!と思っていても、大手企業だと何年先になるかわからないですよね。でも、中小企業の場合、本人の実力にもよりますが、やりたい仕事につける可能性が高いのではないかと思います。
大学生は企業のココを見ている
はらぺこあおむしさんは、今までいろんな会社を見学・インターンシップをしてきたけれど、正直「この会社には行きたくないな」と思ったことはありますか?わくわくスイッチ以外でお願いします(笑)
はらぺこ:わくわく以外か(笑)うーん(しばらく考える)。まあ、ありますね。例えば、社内が殺風景というか、人間味がない雰囲気だと、あまりそこにいたいと思わないですね。落ち着かない。絵や花が飾ってあるだけで違うと思うんですけど。あとは、お茶を出す方の雰囲気も見ます。
そんなところも見るんだ!(どきっ)
はらぺこ:めちゃめちゃ見ますよ!たとえば、社長がめっちゃ熱く語っているのに、お茶を出す方が疲れ切っていると「社長にこき使われているんじゃないか」とか、従業員の精神状態が気になります(笑)。
確かにそうだね。気を付けます…(汗)。要するに、企業訪問では、その会社で働きたいかどうかを見定めるわけですよね。社長の話も大事だけど、社長の下で働く従業員の雰囲気は非常に重要ですね。疲れ切っていたら、自分も将来こうなるんじゃないかと思うよね。
はらぺこ:そうですね。逆に、社員さんの雰囲気が良かったら「いい会社だな」と思います。
なるほど。気を付けます…(2回目)
ほかには、経営者の方ともお話しする機会があったと思うけど、印象に残ったエピソ―ドはありますか。
はらぺこ:将来のビジョンや夢を経営者の方が語ってくださると、重みがあってありがたいなと思います。更に良いのが、業界での自社の立ち位置や数字的な目標だけでなく、社員に対する思いが感じられること。
たとえば、利益がこれだけ出たら福利厚生を良くするとか、儲けることだけでなく、社員のことを考えてくれているんだなというお話があると、ほかの会社と比べた時に心に残りやすいですね。
「お客様相手の会社説明会では心に響かない」ということかな。その会社で働くかどうか検討している就活生にとって、社長が社員のことを考えているかというのは、非常に重要ですね。
はらぺこ:そうだと思います!
すぐできる!学生が喜ぶ合説術
最近、合同説明会に学生が来ないんです。そもそも、合説会場に学生がいない。学生がいてもブースまで足を運んでくれない…。こんな時はどうしたらいい思う?
はらぺこ:あくまでも個人的な意見ですが、ふらふらしてる学生に声をかけてはどうですか。「こんにちは」とか「今何社目ですか」とか。隙あらば「5分だけお話しません?」と。所要時間を指定してくれると、安心して話を聞けますね。
確かに、5分くらいなら聞くかも。
はらぺこ:「就職先決めてるの?」とか、当たり障りのない話から、自分の会社を徐々にアピールする。その業界を志望してなくても、学生から就職観を聞くとか。ただ座って学生を待つよりは良いんじゃないでしょうか。
とりあえず就活生の話を聞くのは良いですね。だけど就活生がその会社にエントリーするかなぁ。
はらぺこ:学生と話した後に「君みたいな子が会社にいたらと嬉しい」、「もっと話したいから会社説明会に遊びに来てよ」とか、「社長にも話しておくよ」とか、言われたら「行ってみようかな」という気になりますよ!自分が行かなくても、友達に勧めるかもしれませんね。
そうなんだ!確かに、そこまで言われたら行ってみようかなという気になるよね。
はらぺこ:あと、企業の人に「名前なんて言うの?」って聞かれるだけでキュンときます。
え?どういうこと?
はらぺこ:就活生は緊張しています。どの企業からも選ばれなかったらどうしようという不安もある。訪問したブースで大人の方に名前を聞かれるというのは「あなたに興味を持っています」という表れなので、キュンときます。名前を読んでもらえたらめっちゃ嬉しい。
そうなんだ!売り手市場で就活生が優位に見えているけど、就活生が抱いている不安や緊張はいつの時代も一緒なんだね。
はらぺこ:それはそうですよ!
自分の就活時代を振り返ると、就活生の気持ちに寄り添ってくれるだけでも、良い会社だなと思ったなあ。テクニックがすべてではないけど、緊張をほぐす、相手の話を聞くとか、対面スキルは高く求められますね。
はらぺこ:はい!大学生にとってもコミュニケーション力は重要です。就活を始めるよりも前に企業との接点があると、視野が広がったり、スムーズに対話出来て良いなと思います。
そうですね。企業と学生が対話する場面が、もっと普通にあるといいですね。今日はとても良いお話が聞けました!今日はどうもありがとうございました。
インタビューを終えて
彼女はこれまでにインターンシップを多く経験しています。それゆえ、企業を見るポイントについては、ハッとさせられた方も多いのではないでしょうか。また、社会人との接点も多く視点や志向も非常にユニーク。「こだわりがある学生は、どんな仕事ができるかを重視するため、大手・中小の規模はあまり気にしない」など、説得力のある意見も聞かれました。
今回はらぺこあおむしさんには、約3時間のインタビューにお付き合いをいただきました。これまで企業の経営はにインタビューしたことはあったもののの、大学生に就職観についてがっつりインタビューしたのは初めて。非常にリアルで生々しいコメントも多く、私自身学ぶことが多くありました。
本当はもっと書きたいことがあったのですが、それはまたのお楽しみということで(笑)。次回もお楽しみに!
【参考】
※1 20年卒マイナビ大学生Uターン ・地元就職に関する調査
※2 三重大学公式サイト 三重大学概要
http://www.mie-u.ac.jp/report/pdf/gaiyou2019_35_36.pdf
※3 2019年卒マイナビ大学生就職意識調査
◆取材日:2019年9月23日@イオン津
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