【田坂広志先生風 小話】絵本に学ぶ教訓
前回の記事にも書きましたが
わくわくスイッチでは
9時半からの朝礼で
田坂広志先生の
本を朗読しています。
そのため私たちの思考回路は
田坂広志先生の影響を大きく受け
私たちが何かの事象を捉え
アウトプットする文章も
田坂広志先生の旋律を
追い求めてしまうのであります。
私が絵本「しろくまのパンツ」を
読んでいた時のことです。
しろくまさんとねずみさんが織りなす
軽妙なやり取りは
毎日を慌ただしく生きる
わたしたち、現代人にとって
本当に大事なものは何かを
考えさせてくれるものでした。
エピソードは
主人公であるしろくまさんの
衝撃の一言から始まります。
「あのね
ぼくのパンツが
なくなっちゃったんだ」
動物もパンツを履くのが
一般的という世界観において
しろくまさんはパンツをはいておらず
さらには
どんなパンツをはいていたのかすらも
忘れてしまったといいます。
困り果てたしろくまさんに対し
友人のねずみさんは
「だいじょうぶ きっと みつかるよ」
「ぼくがいっしょに さがしてあげる」
と声をかけ
ふたりはパンツを探し始めます。
ページをめくるたびに
さまざまなパンツが登場するものの
どれもしろくまさんのパンツではありません。
パンツを探すこと
24ページ
物語の終盤で
ねずみさんが放った一言は
静かな驚きを禁じ得ないものでした。
「しろくまさん よーくみたら」
「パンツはいてるよ」
白い身体と白いパンツが一体化したことにより
すでに身に着けていたパンツの存在に
気づくことができなかったという結末は
微笑ましくありながらも
目まぐるしい変化の渦にいる私たちに
静かな警鐘を鳴らすのです。
すぐそばにある大切なものの存在を
見落としていないか。
大事なことを見失ったことすら気付かずに
人生を過ごしてしまう人も
多いでしょう。
そして同時に、このエピソードが教えてくれる
大切なことを忘れてはなりません。
それは
ねずみさんという友人です。
あなたには
あなたのパンツを探すと申し出てくれる
心優しい友人がいるでしょうか。
そして
自分が本当に困ったとき
プライドや恥じらいを捨て
誰かを頼ることはできるのでしょうか。